彼の「泉鏡花」は金沢の出、母親は加賀藩お抱えの大鼓方で、
その兄は明治の名人「宝生九郎」の最高門弟である「松本金太郎」。
金太郎の長男松本たかしは作家・俳人で映画化された「獅子の座」原作者。
次男は松本恵雄師(故人 人間国宝)、つまり鏡花の従兄弟です。
大変宝生流とかかわり深いお家です。
さらに鏡花の弟も作家で「泉斜汀」といい、
その息子能楽師「新井桜(故人)」は私の亡父の弟子でありました。
その新井氏が岐阜の「岩村町(現在合併して恵那市に)」で
「いわむら城趾能」という薪能を企画制作してから、
25年続いています。
今年は開催場所の岩村藩主邸後ろに、薪能開催日28日まで、
天守のパネルを飾っているようです。
演目は半能「桜川」、狂言茂山家、能「黒塚」です。
昔ながらの城下の面影を遺し、造り酒屋さんや、
カステイラ屋さんもあります。
また、「女城主」の悲哀伝説も・・・
是非、山奥の風情ある城趾までお越しください。