新作能 「覇王」 迫る

いよいよ岩村城址薪能30周年記念、

新作能「覇王」の公演日が近づいて参りました。


岩村城は今ではそれこそ「兵者どもの夢の跡」とも言える、

静かな地となっていますが、

織田、武田がこぞって奪い合った重要な城であり、激戦地となり、

恐ろしい、悲しい伝説も残っております。


信長の叔母「修理夫人」は女城主として今も有名、しかしながら、

30年近くこの地でシテを勤めてきた私でさえ、女城主の最期の悲劇は存じませんでした。


信長が政略結婚のために、美しい叔母を岩村城主遠山氏に嫁がせ、

夫の死後に女城主として活躍したことに感じて最愛の一子、御坊丸を

後継に送り込むほどの入れ込み様であったところへ、

武田の重臣、秋山信友が攻め立てます。

標高高き霧が城、難攻不落の城は落ちず。 しかし、城下では相当な被害が出ているところへ、

修理の美貌もあって、我が妻になるならば無血和睦との条件を出します。


秋山の提案を受け入れ、開城前夜に亡き夫を偲び、「砧」を舞ったとか、

そこまでの悲しい戦国ロマンまでは現代では有名、

いや、江戸時代まではその後日談こそ、天下に隠れもない話、

恐るべき信長の殺戮であったのでした。

つづく・・・


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8月23日(土)17:30
恵那市岩村城址藩主低跡

前売り3,000円 当日3,500円 全自由席

舞囃子「枕慈童」
狂 言「萩大名」
新作能「覇 王」