2012年10月アーカイブ

昨夜は十三夜、「栗名月」とも申します。

ほぼ国中で観月可能だったのではないでしょうか。

色々なイベントもあり、お月様が見えなくては台無しですが、良かったです。


昨夜は沼津御用邸では毎年「栗名月の宴」として、

学問所の和室で謡と仕舞をご鑑賞後、観月懐石料理を召し上がっていただき、

お庭に出て観月お茶席・・・と、栗名月と和の眺めと幽玄の世界に浸っていただく・・・

素晴らしい企画がございました。

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毎年、伺っておりますが、昨夜は最高のロケーション、

私もいつまでも月を眺めていたかったものでした。

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そして、観月特別懐石料理は沼津の名店「まきじ きざし」の御料理。

栗は勿論、地元の海山素材、松茸もあり、

これもまた幸せを感じます・・・。

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これで、6,500円はお値打ちでございます。

毎年、発売開始から数日間で満席になる人気ですが、

是非お出掛けいただきたく存じます。


本日はこれから、東京水道橋の宝生能楽堂にて、宝生会別会。

人間国宝の三川泉師が「鷺」、王は和英宗家が勤めます。

鷺は少年か還暦以上のものが勤めることになっており、

それは純真無垢を求めるからだと言います。

素晴らしい鷺が期待できると確信しております。


「楊貴妃」は玉簾の演出がつき、いっそう優美な楊貴妃が演出されることでしょう。


「唐船」は、優秀な子方達を兄弟組の年齢に適合させて揃えなければならず、

そう言った意味で珍しく、また面白い能です。

狭い船の中で楽を舞うのも観ものであります。


是非お出かけくださいませ!






満次郎の会特番 ポッドキャスト対談

■その2 宝生和英宗家

 プロデュースする立場を中心に、いろいろ情熱の程を伺いました。

■その3 梅若六郎玄祥師

 能の役者のありかた、目指すところ、新作能、移流共演とは・・・

 様々、語っていただきました。

「正統派異端児対談」?と名づけられております・・・


こちらから!

NOH-WEEK はなんとか無事に過ごせました。

10月2~7日 Berlin 能オペラ「保元物語」シテ(崇徳・木樵・崇徳怨霊3役)・演出

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10月8日 明治神宮薪能「船弁慶」後シテ(平知盛怨霊)

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10月9~10日 京都公演

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10月13日 群馬県 かんら薪能「鵜飼」後シテ(閻魔大王)

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10月14日 宝生会月並能「七騎落」シテ(土肥次郎実平)

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10月16日 吉祥寺薪能「天鼓」前シテ(王伯)

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と、大過なく勤められ、感謝申し上げます。


今度は主宰する「巽会」「あまね会」発表会が4箇所でございます。

10月21日豊田能楽堂、11月3日香里能楽堂、11月4日宝生能楽堂、11月23日大江能楽堂、

アマチュア愛好家の入場無料の発表会、お出かけ下さいませ!


覚悟はしておりましたが・・・

今月10月は、経験したことのない能週間、例年にない催しが重なり、

能繁期どころではない、暴れん坊的な舞台続きでございます。


少し前なら「けしからん! 舞い過ぎだ!」と、いや、今でも叱られるかも知れません。

しかし、江戸時代などは1日に何番も能を舞い、数日以上続けるスタイルも

頻繁にあった訳ですので、弱音は吐けません。

(昔の役者に追いつこうなどと大逸れた考えはありませんが・・・)


2日から7日の帰国まで含めたBerlin「保元物語」公演の演出・主演、

8日の明治神宮薪能「船弁慶」主演、

9・10日京都公演、

13日かんら薪能 解説と「鵜飼」主演、

14日宝生会月並能「七騎落」主演、

16日吉祥寺薪能「天鼓」主演・・・

シッカリ、キッチリ、大事に勤めさせていただきます!

ご高覧のほど宜しくお願い申し上げます。

※各公演詳細は お知らせ をご覧下さいませ。
能の役者が、能の台詞で能の所作で、

管弦楽とともにオペラを演ずる・・・


一言で言えばこういう事ですが、ご覧になられねば見当もお付きにならぬでしょう。


全4場5景、休憩ありの長丁場、

シテの崇徳は4景に出演、3変化します。

他の役者も皆double cast、大変な活躍ぶりでした。

おまけに「働き」と呼ばれる、楽屋でのスタッフが0人、

私の先輩方も3人、皆、目を回しながらの奮迅振りでした。


お陰で、なんとか大過なく終了し、お客様にも喜んでいただけました様です。

終演後に装束姿のままロビーでご挨拶、皆さんと接する事もできて、

反応を直接確認できる貴重な機会も得ました。


しかし、それぞれに課題もあります。

乗り越えての再演を願います。

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