2011年2月アーカイブ

本日は朝、東京千駄ヶ谷は鳩森八幡宮の能舞台(東京でのメイン稽古場)で稽古してから、

厚木の稽古場と掛け持ちでした。

 

厚木は私が主宰するアマチュア弟子の会「あまねく会」発祥の地であります。

そして、私の一番弟子、つまり初めて指導したアマチュアお弟子は

落合医院名誉院長の落合豊医学博士です。

 

もともと父の御弟子でしたが、能「経政」を舞われることになり特訓が必要との事、

これを機に内弟子修業中、しかもまだ芸大4年生の分際で、

師匠(18世宗家宝生英雄師)の御許しをいただき、

落合医院の和室を稽古場として、稽古を始めさせていただきました。

ちょうど30年前のことです。

青二才のころから、本当に長い間、お世話になっております。

 

そんなわけで、最初から落合先生にはあまねく会会長を引き受けていただいております。

 

大陸で軍医としての御勤めを終えられ、引き揚げ後に福岡勤務先で宝生流に親しまれ、

広島、厚木と移られました。

御年90歳を超えられましたが、毎日数キロの散歩もなさり、

大きな声で謡もなさり、私は勿論、会員も嬉しい限り、皆の目標であります!

 

本年11月5日(土)6日(日)と、宝生能楽堂であまねく会30周年記念大会を催しますが、

お元気で晴れ舞台を迎えられるのが待ち遠しいです。

 

義理の御子息が医師に転職なさり(大天才!)、落合医院も大きく建て替えられ、

院長として後継ぎをなさっていらっしゃいます。

最新式の設備が整い、本日私も診ていただきました。

 

多少気になる部分もあるのですが・・・

動脈硬化を調べるCAVI検査をしたら、

血管年齢は20代前半とのこと、とりあえず血管だけは大丈夫そうです。

 

97 雪都

14日の聖バレンタインDAY夜は、

宝生能楽堂で「キッズ伝統芸能体験」の能楽教室を済ませて、

抱えている芸大受験生の特訓をし、

馬力が足りないので、さくら肉ならぬ、韓国焼き肉料理を喰わせ・・・

なんぞしているうちに雪が本格的になってしまいました。

 

運転して自宅に帰る途中、皇居前ではすっかり雪景色です。

snow 2.jpg

 

 

 

 

 

 

短い時間で、積雪するのは久しぶりかと思います。

この分では、明朝は相当つもるのでは、と心配しました。

 

先日の連休に降った折もそうでしたが、

路面凍結が結構怖いのです。

積雪がなければ、単に濡れた路面のように見えますから。

 

東京は雪でパニックになる街です。

 

車は事故を頻発し、人は老若問わず転倒・骨折し、死者さえ出ます。

電線が切断され、停電したり、電車が止まったり、

民家からはみ出している庭木が、こんなときに道路に倒れ、通行できず、

例えば自宅の前さえ雪掻きしない人も居ます。

つまり、誰かが家の前までも整えてくれることを、或いはいずれ溶ける時を待ち、

じっとしている・・・。

 

かと思えば、

一生懸命、(ぎっくり腰になりながら?)雪掻きをする方、

1時間も早く出かけ、苦労して、素っ転びながら出勤なさる方。

 

交通機関が被害を受けると、直ぐに数十万人単位で、影響を受けます。

 

昔から、自然災害に弱い東京が指摘されていますが、

公共機関にクレームをするばかりでなく、一般人が意識レベルを上げるべきでしょう。

地震や火事でも同じことでしょうから。

 

snow 1.jpg

翌日朝からの御弟子の稽古は、

大事を取って中止にしました。

 

 

 

 

 

 

 

「七宝会」という会は、祖父の孝一郎が興した関西唯一の宝生会でありますが、

85年ほど前、金沢から大阪に来た孝一郎は、

殆ど宝生が不毛地帯になっていた当地で、

生き残っていた7人で宝生を立て直したことによる「七」という数字です。

 

当時はまだ「七人の侍」は無かったと思いますが・・・

 

「七宝」は宝生の替紋で(定紋は矢車)、流儀の祝言謡「七宝」にも

因んで「七宝会」と名付けた訳です。

 

本日は七宝会で「鞍馬天狗」に「七人の稚児」が登場、

皆、無事に舞台を勤めてくれました。

Hanami110212.jpg

出番直前の七人です。

 

前列、左から、

石黒はなサン(6歳保育園、シテ石黒孝のお孫さん)

大庭欣治クン(4歳保育園、大阪稽古場のお隣様)

天野 育サン(2年生、吹田教室)

池田晃久クン(2年生、吹田教室)

後列左から、

福井菜月サン(3年生、吹田教室)

石黒 空クン(4年生、はなサンの兄)

大間美穂サン(2年生、吹田教室)

です。

 

このあと見事に勤めてくれました!!

 

本日昼から大阪能楽会館で特別公演があり、宝生は仕舞「雲林院」倉本雅で

地謡を、昨夜から大阪の実家におります。

昨夜から降り始めた雪は、今朝には5センチほど積もっており、

本日も、明日も、お客様の御足もとが心配です・・・。

 

おそらく、東京から東海道沿線各地は同様かと思いますので、

新幹線も乱れることでしょう。

大変な連休となりましたが、どうぞ御気をつけくださいませ。

 

明日は私共が主催いたします関西唯一の宝生定期能「七宝会」が

実家の香里能楽堂で13:30よりございます。

 

今年の初会ですので、はじめに「翁」の素謡があり、

次に能「東北」山内崇生ほか、狂言「昆布売」善竹忠一郎ほか、

そして能「鞍馬天狗」白頭 石黒孝ほかがございます。

 

御存じの様に「鞍馬天狗」には、かわいい花見児が登場するのですが、

今回は牛若(石黒空)以外はアマチュアの子たちを特訓して、

出演してもらうことになりました。

 

 

Hanami110209.jpg写真はその稽古風景です。

 

 

小学生3年生を筆頭に、

下は保育園のまさしく稚児クンも

頑張ってます!

 

主に吹田の子ども達で、

石黒実都が指導しているのですが、

皆、喜んで、真面目にやってくれます。

 

アマチュアといえども、お客様の前でやるのですから、

いくら可愛い子たちでも、厳しくせねばなりません。

 

おおらかに、きびしく・・・

 

きっと大成功するでしょう。

 

 

2月12日(土)13:30開演

香里能楽堂:京阪香里園駅下車 線路沿いに京都方面に徒歩6分

全自由席 一般5000円  学生2000円

※会員割引あり

 

番組は以下のpdf御参考に。

20112 sippoukai.pdf

 

 

 

 

 

 

94 如月の宝生

昔は2月・8月、俗に「二八(ニッパチ)」は仕事なしの暇月と、

云われていたのですが・・・

御承知の様にいまや8月は薪能など盛んで、間違って俳句の季語になるほど、

2月も、色々ございます。

 

既に5日に国立能楽堂で「東京若手能」に於ける、宗家の「羽衣」バンシキ、

6日は女流の主催公演「立春能」で能4番。※同日に金沢で定期能あり。

 

そして、

「お知らせ」にもございます通り、インタビューさせていただいた今井泰男師も

舞われる、宝生会月並能が13日宝生能楽堂で。

宝生能楽堂公式サイトはこちら

 

その前日12日(土)は大阪定期能「七宝会」が私の実家「香里能楽堂」で、

佐藤耕司の素謡「翁」、山内崇生の能「東北」、石黒孝の「鞍馬天狗」白頭ほか

善竹忠一郎師の狂言がございます。

 

さらにその前日11日(祝)は日本能楽会大阪公演で、女流の倉本雅氏が

仕舞を舞います。

 

19日は正午より、宝生能楽堂で能四番の「五雲会」(辰巳孝弥の「弓八幡」もございます)。

全自由席5,000円で能4番、狂言2番をご覧いただけます。

宝生能楽堂公式サイトはこちら

 

20日は国立能楽堂で能楽協会主催「式能」。

式能は、唯一、五流による「翁付き五番能」を演じる催しです。

 

勿論、昔はそのスタイルが正式の催しでしたが、

今ではこの式能のみになっています。

しかも五流そろい踏みです。

宝生は武田孝史さんの「吉野静」です。

殆ど残席なしとなっておりますが、各種プレイガイドで御取り扱い中です。

能楽協会ではチケットの取り扱いはしておりません。

詳しくは公式サイトの「公演情報」をご覧くださいませ。

公益社団法人 能楽協会 公式ホームページ

 

今月も宝生を宜しくお願いします!!

 

 

93 新東京タワー

浅草の名士の方々に能楽講座をする機会があり、

久しぶりに国際通りへ車を運転していると、聞き及んだ「東京スカイツリー」が見えました。

 

kappabashi sky-tree.jpg

 

 

かっぱ橋通りから臨んだ写真です・・・  →

 

 

東京タワーよりは高いらしいことは

知っていましたが、結構高そうです。

 

 

お仕事が終わり、熱海へ会議に

行かねばならなかったのですが、

その前にもそっと近づきたくなりまして・・・

 

 

 

 

sky-tree 2.jpg

  川向うに渡りますと、

 オオツ、やはり大きい!

 電波塔世界一で、600メートル超とか?

 地デジの為に立てているのでしょうか。

 東京タワーはテレビ塔としては、お役御免

 になるようですね。

 なんだか寂しいです。

 

あんまり行ったことはありませんが、

蝋人形館とかありました。

これから怪獣映画やヒーローものの

特撮には、スカイツリーになるのでしょうか。

先日、名古屋テレビ塔もチラッと登りましたが、

やはり御役御免とか・・・

 

 

 

sky-tree 3.jpg  

ついには業平橋まで行き、ほぼ真下に

近づき見上げると →

写真では解りづらいですが

相当の迫力です!

マカオタワーのように バンジージャンプなど、

あるのでしょうか・・・

 

 

 

 

近頃怠りまして、申し訳ございません。

旧暦の正月を迎え、新たに・・・。

 

1月29日は大阪若手能20周年記念公演でした。

大阪の若手能は20年前にスタートしましたが、

しばらくして国立能楽堂から委託を受けた大阪若手能実行委員会が、

能楽協会大阪支部のバックアップを受けて運営し始めました。

 

ちょうど立ち上げのときに中心的なメンバーであった大鼓の山本哲也君は、

まだ30歳前の若者でしたが、大阪の未来のことも考え、大変意欲的に

他の委員たちと運営していたものです。

 

若手能にも規約があり、40歳が定年であるため、次期委員長は福王和幸君、

そして最近、弟さんの知登(ともたか)君が委員長として、

立派に20周年記念公演をやり遂げました。

 

大阪・神戸の若手を中心に、国立での研究生も加わったメンバー構成でしたが、

今回のサブタイトル「蕾から花へ」の「花」をまだ理解できない人も大勢いるなか、

当日の舞台は、久しぶりにイライラせずに観れる舞台でした。

それは、舞台に熱いものを感じたからでもあります。

 

宝生流も能2番の役をいただき、東京から若手の助っ人も交え、

彼らも刺激的な大阪の舞台で貴重な経験をさせてもらえました。

 

全ての業界が大変な様に、能楽界も相当なものですが、それでもこのような

有難い機会をいただいていることに、本当に感謝申し上げる次第です。