2010年8月アーカイブ

岐阜恵那市岩村で26回を数えた薪能。iwamura 2010.jpgのサムネール画像

 

28日にお天気良好のなかに無事に開催されました。

岩村城は「霧ヶ城」とも言われたくらいの要塞で、

つまり雨にたたられやすい地でもあります。

実際に、4年に1回ほどは雨天のために、至近の体育館で

開催したこともあります。

 実行委員会のご心労は毎年如何ばかりかと存じます。

 本当にお世話様です。感謝申し上げます。

 

岩村城は山城なれど甲斐武田と尾張織田の勢力争いにおいて

重要な地を占めていました。しかも難攻不落の城です。

 

今も岩村の人々に語り継がれ、愛される「女城主」の悲話あり。

 

武田方の秋山信友が岩村城を攻めたとき、

信長の5男御坊丸を養子に迎えていた遠山景任の未亡人「修理夫人」は

幼い御坊丸の代わりに城を守り、「女城主」として奮戦します。

修理夫人は実は信長の叔母であり、信長より年下で絶世の美女だったといいます。

 

難攻した信友は女城主に御坊丸の安泰と領民の安全保障を条件に

城を開き、自分の妻となるように持ちかけます。

 

御坊丸の行く末と、領民の安全を願った修理夫人は、

自らを犠牲として開城します。

ところが、信長の叔母と夫婦になったことで武田に負い目を感じ、

御坊丸を甲斐に人質に出してしまいます。

 

激怒した信長が岩村をを攻めるのは、長篠の合戦で勝頼を打破したあとです。

信友も叔母をも逆さ磔にして処刑したという恐ろしい話。

 

修理は信長への呪いともいえる恨みの言葉を遺しました。

 

その7年後に本能寺の変です。

 

岩村では「女城主」の町として旧城下町の風情も残し、

iwamura 2010 2.jpg観光スポットとなっています。

 

来年は8月27日土曜日の予定、

是非いらっしゃいませ!

 

 

 

昨日は残暑厳しきながらも、夕方からは都庁前広場は

時折風が吹き抜け、過ごしやすく、まさに薪能日和でした。

 

tokyo dai takigi nohSN3K0151.jpg入場無料のビッグイヴェント、新聞各紙での告知など、

都民の皆さまにも相当に広まり、また毎年楽しみになさっている

方々も多く、なにより若い方が多数いらっしゃることに、

主催者に感謝感謝の催しです。

 

 

正式な数は伺っておりませんが、例年4000人のご来場、

今年も3000席ほどの座席は全て埋まり、立ち見のかたも

1000人はくだらず・・・

 

「入門の入門編解説」・能・狂言と

tokyo dai takigi noh SN3K0154.jpg全て無事に好評に終了したことは、大きな喜びでした。

 

主催者、スタッフ、ご後援の皆さまの甚大なお力添えで、

このような大イヴェントが開催・運営されることと、

大勢来てくださるお客様に

我々が感謝せずして、どうなりましょう。

 

本当に有難うございました。

 

9月25日に東京MXTVで当日の様子が放映される予定です。

tokyo dai takigi noh SN3K0154.jpgのサムネール画像

 

tokyo dai takigi noh SN3K0154.jpg

 

56 東京大薪能!

いよいよ明後日26日は、東京都庁前広場での東京大薪能(主催IFAC)です!

 

毎年、大規模に、まさに「大東京」の名が相応しいシチュエーションで

能の普及のために企画・運営・主催していただく事に、

大変感謝しております。

 

入場無料・自由席ということもあって、私の知る限りでは

最大数のお客様がいらっしゃいます。

 

主催者からも例年呼びかけていただいていますが、

是非とも能楽堂への「橋掛かり」となることを期待します。

 

主催者代表による解説、

能「放下僧」シテ辰巳満次郎ツレ山内崇生、

「黒塚」シテ渡辺荀之助、

 狂言「福の神」山本則俊、

という内容です。

 

「放下僧」は牧野次郎丸・小次郎兄弟が、父の敵である利根信俊を討つ話。

実話を元にしており、牧野兄弟が「放下」というパフォーマーに扮して、

禅問答好きの信俊に接近し、油断させて本望を遂げるというお話。

「芸人」として芸尽くしをしたり、血気に走る弟小次郎を制御しつつ

敵を討つチャンスをうかがう緊迫感、

能独特の表現(例えば敵を討つ場面では、信俊は代わりに笠を置いて退場し、

兄弟はそれを信俊と見立てて討つ、など)も面白く、

「現在物」としての魅力たっぷりな曲、お楽しみください。

 

 

「黒塚」は有名な「安達が原の鬼女」の話。

これも伝説からくるものです。古歌にも詠まれています。

陸奥の安達が原で行き暮れた山伏たちが宿を乞い、

1人の老婆にもてなされます。

枠加瀬(ワクカセ)という糸繰り車を回しながら、泣き崩れる老女。

夜中なのに山に薪を取りに行くといい、

自分の寝室を覗くなと念を押して出かけます。

不審に思った能力(間狂言、下働きの男)がこっそりのぞくと・・・。

 

壮絶な闘いと、女の哀れさと・・・

 

いろいろ感じていただければ幸いです。

 

 

皆さま、熱中症対策・虫さされ対策・行列対策・・・などぬかりなく、

お早めにお越しくださいませ!

東京大薪能のお知らせはこちらです

 

JR某駅から19:35発の特急に乗ろうと

 

自販機でチケット買い、2分前の33分に改札口通り目の前の階段駆け降り、

 

1分以上前にホームに到着したにも関わらず、

 

 

ドアが閉まっている!?

 

 

一瞬チンプンカンプン...。

 

 

ドアが暫く閉まったまま30秒程停車したままでしたが、

 

おもむろに動き出して、完全に状況把握した私は

 

「鶏冠」に来ちまいまして、最後部車掌席窓から顔を出していた車掌に

 

「時間前ですからあっ!」と口撃したら慌てて腕時計で確認しているうちに、

 

その電車はホームを後にしていました...。

 

 

予定の新幹線には乗り遅れた訳です。

 

いや、この時間は1時間に1本の特急も終了してしまいましたから、

 

実質的には1時間も遅れてしまったのです。

 

 

かなりの、いや前代未聞の理不尽さに、側にいた隣の各駅電車の車掌に

 

「これって?」と訴えたら、「駅員に話してください」との事、

 

駅長が休みとかで駅長代理が応対、事実を訴え、二分前の改札通過刻印も見せ、

 

どうなってるか調査報告依頼をしました。

 

 

実は駅の改札口時計とホーム時計が非常識にも共に1分ずつ遅れていたが、

 

自動改札機は正確だとかで、改札後30秒で電車ドアまで到達する現場ですから

 

結局解決しなかった、つまり早く出ちゃったのです。

 

 

駅員の対応が丁寧だったから良かったですが、

 

あまりに不思議な出来事でした。

 

 

※昨日upした際には、駅名・列車名を記載しましたが、

本日お詫びの連絡がありましたので、実名・証拠チケットを削除いたしました。

もとより、処分も騒動も求めておりません。

乗客の身になって貰えれば・・・ 

 

 

 

 

54 薪能いろいろ

最盛期の半数になったとはいえ、

毎年夏は各地で盛んに薪能が開催されます。

本来興福寺お水とりの寒い時期が薪の神事の発祥ですが、

いまや夏の季語となった薪能。

 

1日にMOA美術館薪能、7日吉田城、12日大阪薪能、

19日遊行寺薪能、26日東京大薪能、28日いわむら城趾能、と

例年より多くシテや地謡を勤めさせていただきます。

 

19日の藤沢市の遊行寺薪能は、

yugyo-ji 1.jpg能にも登場する一遍上人、時宗の宗祖が開山した御寺の境内

で毎年開催されます。

 

開演前に舞台上にススキを立て置き、お僧達が念仏踊りを

なさいました。

 

御年90歳の遊行上人が、ユーモアたっぷりに説法を

述べられ、観客は聴衆となって、まさに法の庭となりました。

 

天気予報は幸せなことにハズレテ、無事に開催できましたのは

何よりのご加護でございました。

 

これから都庁前の東京大薪能、いわむら城と無事開催を祈ります。

お暑うございます、というのも飽きました・・・ですね。

台風に酷暑に、皆さま本当にお見舞い申し上げます。

 

今年の終戦記念日は、殊に暑い日になりましたね。

 

私のことを「回遊魚」と言う方があるそうですが、

夏風邪をひきつつ、泳ぎつづけております。

100811 moa utai taiken.jpg

7日「吉田城薪能」に引き続き、

8日は大阪で大きな催しのお手伝い、

9日は若手の研究会である「名古屋青雲会」、

10日会議3つ、

 

11日はMOA美術館能楽堂で「夏休み能楽サークル」、

(右写真)

 

12日は朝から大阪実家の能面能装束虫干し、

その後、大阪谷町の生國魂(いくたま)神社で「大阪薪能」、

 

13日も引き続き虫干しと一般公開と、DVD用撮影、DVD satsuei.jpgのサムネール画像

(右写真)

 

 

14日大阪稽古、

15日本日、東京稽古と会議、

明日から豊橋、名古屋、熱海・・・と

 

猛労させていただきますっ!

ただし現在、エアコン故障中のお稽古場で、朦朧中です(>○<;)

 

豊橋での「第4回 吉田城薪能」(主催 NPO法人 三河三座)が

7日無事に終了いたしました。

 

 

yosidazyou.jpg

一番の心配のお天気も上々、           

見所は少し風も吹き、

吉田城趾の抜群のロケーションで

幽玄の世界を楽しんでいただけたと存じます。

 

 

演目は「鞍馬天狗」、花見の子たちは地元の「能楽教室」の仲間でした。

普段は観世流のお稽古をしているのですが、

折角の地元の催しですから、参加を依頼しました。

 

例によって、愛情ある厳しい稽古を重ねました。

yosidazyou syuugou.jpg yosidazyou syuugou.jpg

たとえアマチュアといえども

お客様に披露するのでありますから、

可愛らしいだけではいけません。から。

 

期待以上に頑張って立派に勤めてくれたことは、

本人たちも、私どもも、お客様も同様の喜びでありました。

 

この吉田城薪能は、宝生・喜多・観世と輪番で勤めておりますが、

大きな特徴の一つに、地元魚町能面能装束保存会のご協力により、

現地で数百年前に使用されたであろう能面を、

同じ地(城趾)でまた使わせていただくという、

他ではマネのできない楽しみがあります。

 

今年は後シテの大ベシミ、天下一河内の作品、300年ほど前の名品でした。

本番中、面の内側に沁み込んだモノが、やはり出てきたのを感じました。

 

この素晴らしい薪能が、いつまでも続き、進化していくことを期待しております。

地元の皆様には本当にお世話になり、出演者一同感謝感激いたしました。

 

 

 

 

 

 

寝屋川市ではこの四月に文化振興条例が制定され、

その一環として教育委員会の地域教育振興課の主催で

無料能楽体験が8月5日に、実家の香里能楽堂にて

開催されました。

 

当日は70名の小中学生が参加して、能舞台で所作を、

楽屋では楽器体験をしていただきました。

また、能面着用体験もありました。

 

実演を交えた2時間半たっぷりのメニュー、

能楽の魅力をお伝えできたと思っております。

 

また、能楽堂の存在を初めて知ってくださった方もあり、

我々も有難い機会を与えていただきました。

 

今後も色々な企画提案をして、地域の文化振興に

寄与させていただきたいと存じます。

83日は静岡市で「伝統文化寺子屋」(静岡市文化振興財団主催)が開講されました。

 

毎年夏休み恒例の1日体験講座であります。

 

駿府のお城のもとにある市民文化会館で、

 

朝から地元に所縁のある「お茶と能楽」の体験を

 

たっぷりしていただこうと言う企画でご好評を得ております。

 

 

能楽については最初に企画提案をした私と、

 

地元出身で静岡市で子ども達への体験プログラムを熱心に行っている

 

佐野登氏が中心に、もう10年ほど、やらせていただいています。

 

今年は200名定員の倍の応募があったようです。

 

 

お断りした方には申し訳ない事でございます。

 

出来れば23日もやらせていただきたいものですが...

 

 

「お茶」は「お煎茶」と「お抹茶」の作法、

 

「能楽」は「謡・舞・囃子」の体験をしていただき、最後に能の実演つきです。

 

子ども達は今年も一生懸命に挑戦して成果を上げてくれました。

 

 

自ら希望して参加した子も、保護者の導きや友達の引っ張りで参加した子も、

 

いざ始めると、皆、真剣に向かってくれました。

 

 

terkoya_photo.jpg

 

 

 

写真は静岡新聞に掲載された、   

 

 小鼓の体験シーンです。

 

静岡新聞記事 

 

 

 

 

 

財団職員の方々の奮闘、地元のお茶や

 

能楽の団体のお手伝いにより、無事に修了できました。

 

 

修理した証しに「伝統文化人証明書」を校長から授与して終了。

 

いつまでも続いて欲しい企画です。

 

 

やがてミニ伝統文化人達を集めて、さらにグレードアップしたものが出来れば良いと

 

願います。