2010年9月アーカイブ

今回のバリ公演でのベースは、芸術と文化の町「ウヴド」でした。

 

私の認識で申し上げますと、ウヴドの村々ではそれぞれ、

絵画・木彫り・石彫り・音楽・舞踊の専門家の集落となっています。

 

つまり、村の強固な団結に基づき、大人たちが子どもたちに継承している、

まさに伝承の村々なのです。

村人全員がそうなのです。

さらに、郷土芸能・民芸といった域を遥かに超越していて、

ほぼ全員がスペシャリストであります。

 

人々の中に生業が自然に伝承されており、数百年の伝統が洗練というものを

為しています。

 

プリサレン王宮広場で演ずる前に、ウヴド王に表敬訪問し、謁見となり、

様々親しくお話しましたが、王もまたダンサーでもあるのです。

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芸術文化の知識も相当に深く、その深淵に迫られる姿勢と、

国内外での文化事業展開は

素晴らしいものです。

 

夜のプリサレン王宮では「羽衣」と「石橋」獅子を演じました。

 

どちらもバリ舞踊に登場するキャラクターです。

 

 

バリ公演は8月31日夜に関空を飛び立ち、

9月4日の早朝に成田に帰国するというものでした。

 

日本伝統文化振興財団の主催で行かせていただきました。

学校へのワークショップに重きを置く、

海外公演では珍しいものでもありました。

 

例によって、私のワークショップでは「足袋」に拘り、

なんと日本から100足以上の足袋を持参しました。

足袋が日本文化であり、摺り足に最適・不可欠であるとするからです。

 

しかし、驚きの、予想外の事態が・・・

 

バリの子ども達は、裸足にサンダルの生活なんです。

つまり、自分の足のサイズを知らない子ども達なんです。

 

足袋を履かせることに、かなり時間を費やしてしまいました。

が、その効果はやはり絶大でした。

 

一通り体験を済ませた子どもたちに実演を見せた際に、

真剣に見入ってくれたことに、少なからず役目をなんとか果たした気分になりました。

 

純粋で、人懐っこく、幼い時からバリ島の芸術文化に

深い関わりをもつ子ども達。

昔の日本の子どもにもあった環境ではなかろうか。

 

いつの日か、なんとかしたいものです。

 

bali alit SN3K01590001.jpgつづく・・・   (写真はデンパサールの宿のオープンバスです)