来新春は例年には無い催しで能を勤めさせていただきます。
まずは10日の日曜日と成人の日の11日、「新春若草能」。
毎新春、奈良の新公会堂能楽堂で開催される人気の催しで、
五流の輪番で勤めておりましたが、
明年は平城遷都1300年の記念として大和四座(観世・金春・宝生・金剛)揃い踏みで、
2日間の特別公演となります。
奈良に所縁の曲目を集めていますが、私は11日に「国栖(くず)」を致します。
既にチケット残席僅かの様ですので、お早めに・・・
続いてお知らせにもありますとおり、31日国立能楽堂で「のうのう能 特別公演」に於いて
「船弁慶 後之出留之伝」を勤めます。
懇意にさせていただいている観世喜正さんが主宰する「のうのう能」。
普段能楽の普及に尽力なさる彼は、素晴らしい才能とアイデアの持ち主です。
まずもって「のうのう能」というネーミングなんて・・・!
関西モンとしては、してやられた感であります。
「のうのう」は「KNOW能」という意になっていますが、
能に於いて幕内から舞台に呼びかける台詞に「のうのう(オイオイとかネエネエ)」というのが
ありまして、上手く掛けたものです。
また、当日お客様に配布されるパンフレットなども、
大変解り易い構成になっており、これは奥方の功も大きいようです。
「観世&宝生 IN 壇ノ浦」と題して、
観世 喜正 「碇潜(いかりかずき)」 辰巳満次郎「船弁慶」後之出留之伝
をお送りします。
いずれも平家が滅んだ壇ノ浦での話、知盛がシテです。
この催しの楽しみ方は様々あります。
・観世流と宝生流の「謡」や「型」の違い、主張を見比べる
・同じ主人公で2つの物語を味わう
・初心者向けの充実したパンフレット
・日本唯一の座席備え付けの字幕システム
などなど。
催しとして大事なのは、「催しのコンセプトがハッキリしていて、充分それを楽しめる」
ことと思います。
お楽しみください!