早いもので3月になりましたね。
いまだ気候不順で風邪もはやり、
今年こそ治ったか!?と思った花粉症が突如やはり出てきて・・・
今シーズンは新グッズが出現、鼻孔に入れ込むマスク(使用中です)、
バリアとして塗るジェル、アヒルかカモノハシのような360度シャットアウトマスク・・・。
今年はそれでも少々楽なような気がしますので、軽く幸せです。
今月の御彼岸連休の21日、名古屋城正門前にある「名古屋能楽堂」にて
本年第2回目の名古屋の宝生流定期能「名古屋宝生会」があり、
私は能「山姥」を勤めます。
ちょっと昔に誰が名づけたか「山姥ルック」なる連中が渋谷中心に溢れ、
全国へ伝播していきました。
山に棲む鬼女なはずなのに・・・街に棲む特別な言葉使いをする少女達で、
でも怪しさは共通してらっしゃいましたが。
能のお話では、「百万山姥(ひゃくまやまんば)」という遊芸人が都で人気となり、
大スターとして使用人を従えて信濃の善光寺へ参拝を所望します。
やがて境川に到達すると、道が3方に分かれており、
如来が通ったとされる乗り物(馬や輿)もかなわぬ険しい道「上路越え」を選びます。
すると陽が高かったのに急に陽が暮れてしまい、道も判らなくなります。
一人の女性が現れ,我が家に泊まることを進めます。
宿主は、山廻りする山姥の歌を歌うらしいが、聞かせてくれと所望します。
なぜか彼女が百万山姥であることを知っていたのです。
だから泊めたとも言います。
どこか物すさまじい体で、自分が本物の山姥であることを明かします。
自分のおかげで隠れ無き遊君となったのならば、
感謝して我をたたえよ、感謝せよ、歌えといいます。
恐ろしく思った百万山姥が歌いだそうとすると、
月が出るまで待て、真の姿を現すからと消え去ります。
かくして、例の「白頭・赤顔」で恐ろしげな姿で再登場した山姥は、
曲舞(クセマイ)を舞い、山廻りする様を見せて、消え去ります。
この「山姥」のクセは「難クセ・三クセ」といって、「歌占」「花カタミ」と共に
難所だらけの難曲であります。
山姥は単なる鬼女ではなく、人間のために善行もしていると言います。
山に棲むモノノケといった存在でしょうか。
「悪」のイメージはありません。不思議な、霊的な存在です。
・13時開演 ・一般5,000円 ・学生2,000円
・他に能「清 経」、能「羽 衣」バンシキ、狂言「岩 橋」ほか
・お取り扱い 電話 / fax共通 052-882-5600 nagoyahoushokai@castle.ocn.ne.jp