今日はお雛様・・・
このお雛様にまつわる不思議なお話・・・
というと怪談物のようでチトコワモノっぽく聞こえましょうが、
カイダン違いの階段にまつわるお話を一席。
今は様々な事情から階段、つまり段飾りのお雛飾りも、以前よりは少なくなった様です。
それでもお内裏様とお雛様はキッチリ飾られるお家は多いと思います。
たとえ何かのオマケやお菓子の人形であっても、
いざ飾るとなると、それなりにこだわったり悩んだりするのではないでしょうか?
お内裏様とお雛様の並べ方について、
つまりお雛様は左か右かどちらに並べりゃ宜しいんだあ?
と悩む方は多く、結果、附属の説明書を参考に安心してらっしゃるのが現代でしょう。
迷わず左右をおっしゃる方も勿論多数ですが、しかし左・右ご意見が別れるのです。
実は地域性や風習に拠るものですが、よくよく考えれば正解はひとつ、
実際の御座の通りですから、単純明快、階段下から見てお内裏様は右、お雛様は左です。
古来より「左方優先」が日本文化です。左大臣が上ですから同様です。
ですから昔は並べ方は統一されていました。
では何故変わったか...
諸説あるなかで、有力説2流をご紹介しましょう。
「京都は向かって左がお雛様、他は右でしょ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
実際そうなのですが、何故ぞ?
①11代将軍家斉の息女「容姫(やすひめ)」が加賀前田候に嫁がれたとき、
本郷の広大な御屋敷に入られる際に門を赤く塗ってお迎えした話は有名ですね。
現東京大学の赤門ですから。
更にお嫁入り道具の雛人形も「目上である」から、通常の並べ方と反対にしたという話から、
江戸庶民にいたるまで逆並べにした。
②終戦後、マッカーサーを昭和天皇両陛下が表敬訪問なされた際のお姿(3ショット)が
新聞に掲載される。
モーニング姿の両陛下はエチケットとして西洋式の立ち位置撮影を受けられたが、
紙面を見た国民は「これが正しい位置であるのか!」と誤解した。
当時は天皇陛下の正装のお姿を見ることない国民だったからか・・・
※これは明治天皇の洋装での御尊影のとおりにした、という説もあり。
いずれにしても、人形屋さん業界の申し合わせにより
統一されたようです。
ということは、家庭では各自の考え方でも良いのかも。
京都のみ違うのは、平安よりの文化を守る京都人のこだわりでしょうか?
私も亡父に厳しく古来の通りを言いつけられておりました。
能の世界では「位置」には大変なこだわりですから。
五人囃子が能の奏者であり、向かって右から
「謡・笛・小鼓・大鼓・太鼓」
であるのは、能をご覧になれば、ご存知でしょう。
7人楽人の「雅楽雛」もあるそうです。
泣き・笑い・怒り上戸の3衛士の持ち物も、
宮中での掃除道具もあれば、
現在主流の大名行列用の沓などのタイプもあり。
さて皆様、これからは古式に並べるか、
現代の風習に習うか、
お家の現実的なパワーバランスに合わせるか・・・?
私はひたすら ノウガキ師満次郎・・・