笏は「神具」として市販されています。
寸法はほぼ統一されており、形は丸みの強いもの、角ばったもの
少しずつ違うこともあるようです。
自身での稽古にも必要なので、
私は国産の櫟で作られた神道儀礼用のものを2本購入いたしました。
正目と木目です。
正目は神前で使うに相応しいようです。
木目は御好みもあるようですが、巷ではやや高価とか。
材質は櫟が1番ですが、屋久杉などを好む方もいらっしゃいます。
寸法は30センチほどです。
しかし、本来は持ち主の肘から手先までだったようです。
宝生の江戸期より残る笏は45センチでした。
昔の貴族であり、左大臣であり、権勢を笏寸で示すこともあったことから、
丁度良さそうな長さであります。
私の肘から手先より少しだけ短いですが、
これ以上長くすると懐中できなくなりますので、
忠実に寸法を測って特注製作させました。
神道儀礼では笏は必ず胸に平行ですが、
貴族の持ち方は少し前に倒すと考えています。
聖徳太子を始め、さまざまな肖像画や御尊影がそうだからです。
しかしながら三つ拍子のときには、きっちり構えたいものです。
宝生弥五郎が文化年間に復活させた笏之舞、
その時に相手をした笛の一噌又六郎宗家の「秘中の秘考」という伝書にも
さまざま詳しく書かれています。
今回、詳しく書付を遺すのは勿論ですが、初めて映像・音声も残る訳です。
なにより、ご覧になる方々の目にも・・・。