179  7月1日(日)七宝会「加茂物狂」「望月」ほか

明日の7月1日(日)は13時半から七宝会(関西宝生流定期能)が

香里能楽堂で開催されます。


能「加茂物狂」倉本 雅 ほか

離れ離れになった夫婦が加茂の祭(葵祭)で偶然行き逢い、

元の如くに幸せに暮らすと言うお話。

大変珍しい曲です。観世流には無いので、特に関西では上演機会が少ないのです。

「物狂い」というのは、「何か」に執着し、パフォーマーとなって情報収集と

自己アピールをして探し相手を求める、というもの。


物狂いのアイテムである「狂い笹」に葵を蒔きつけて登場する女性は、

水に映る我が姿のやつれ果てた姿を見て、もはや今恋しい人に遭遇しても

気づいてももらえまいと嘆きます。

しかし、男は妻と解り、お互いに見知りて二人の懐かしい家に

待ち合わせて行く・・・という、少し変わった終わり方をします。

これは人前であることを恥じる、奥ゆかしい作品です。


「望月」
仇打ちものとして名高い曲ですが、特殊な獅子を舞う為に、

大変高度な曲と成っております。

シテのみならず、ツレも盲目の役を演じますので、

「石橋」の前のように「免状物」のツレであり、子方も鞨鼓を舞うので難しい役と成ります。


これを、シテ石黒 孝、ツレ石黒実都(次女)、子方石黒 空(長女の子息)という、

父・娘・孫の3代共演という、これまた珍しい機会です。


重臣とともに、親の仇を取るまでの芸尽くしと緊迫感溢れる物語展開、

能らしい楽劇を楽しめます。


是非、御高覧のほどを。


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