180 新作能「散尊(サムソン)」は8月21日!

七宝会、お陰さまで無事、盛況に終了致しました。有難うございました。


さて、既にチラシをご覧になったかたもあるかと存じますが、

8月21日19時より、国立能楽堂で国際ミルトン学会シンポジウム記念、

新作能「散尊」を上演予定、演出・節付け・主演を勤めます。


「おしらせ」に詳細御案内しておりますが、

ストーリーはおよそ以下の通りです。

偶像ダゴン神を崇拝するペリシテ人の支配を受けていた

イスラエルのダン族のヒーロー、サムソン。 

彼は怪力無双で、たびたびペリシテ人に脅威を与えていました。 

彼を捕えようとする大軍も全く歯が立ちません。

実は産まれて一度も剃ったことの無い「髪」こそが力の源でありました。

ペリシテ人は美しい遊女デリラを使い、弱点を探らせます。

美貌に溺れたサムソンは、ついには妻となったデリラに

自らの弱点を白状するのでした。

 

眠っている間に髪を剃られて、安々と敵方に捕えられたサムソンは、

牢獄に繋がれ、両眼をくり抜かれ、石臼を引く有様となります。

本当はサムソンを深く愛してしまったデリラは後悔して

サムソンに許しを乞い、手助けをしようと言います。

祭りの慰み者に広場に引き出されたサムソンを、

彼の所望により神殿まで連れて行きます。


サムソンは今は髪も伸び、力を取り戻し、

神殿を破壊して敵方諸共に憤死するのです。

 

ミルトンはギリシャ悲劇の様式で詩劇「闘士サムソン」として

作りました。

新作能「散尊」では、ミルトン自身がワキの役割

(但し盲目の役の為、シテ方が演じる)となり、

その書斎にサムソンとデリラの霊が現れるという設定です。

 

間狂言はミルトンの世話をする娘。

旧約聖書のサムソンの節、士師記16章を読み語る部分は、

「奈須与市語」の演出を用います。

 

どうぞお楽しみに!