220 橋本武師祝祭 「伝説の灘校教師が能楽堂にやってきた!」

いよいよ新年度、

進学、進級、就職、新任、新天地・・・と様々なスタートをなさる方も多い訳です。


3月20日に実家の香里能楽堂で開催された「伝説の灘校教師」こと橋本武師の講演は、

新生活をスタートなさる方はもとより、我々の心を浄化せんばかりの素晴らしいお話の数々、

しかも、ウィットに富んだお話ぶりに、能楽堂舞台開き以来の立見超満員のお客様一同、

楽しく、和やかに、嬉しく、人生の先達に感謝の一時となったのでした。


創立間もない灘高が新任先、その自由な気風に大いに活躍、

戦後の墨塗りだらけの薄っぺらな教科書は使い物にならぬと、

漱石が美しい日本語と評した中勘助の「銀の匙」を中学3年間の国語教科書とし、

単なる「国語授業」に留まらず、内容の実体験をさせて、

多いに横道にも逸れて視野を広げさせるという仕掛けも作られ、

やがて灘校を東大合格トップ校へと延ばした立役者。


そして、見たこともない物を批判することへの警笛も。

「灘高は自由な気風。教師にも生徒にも。生徒たちの考えを尊重する。

書きたいように書かせれば、ドンドン書くようになる。決して詰め込み教育ではない。

見もしないで決めつけられては困る。」


新米教師であった橋本武師は、やがて教頭になり、50年間も灘高に勤務なされました。

着任50年のお祝いには、黒木瞳を筆頭にタカラジェンヌ50人が駆けつけたとか。


そう、これも有名ですが、師は60歳からタカラヅカにハマリ、3日と開けずに通われたそうな。

また、師は能楽に大変造詣が深く、「翁」を見ねば年が明けぬ、とまでの愛好家。


100歳のご自身の人生経験から仰ること、当然ながら全て説得力の強いもの、

何故か、感動と勇気を頂けるのです。


そもそも、本企画は兄が企てたものです。

橋本師とは35年来のお付き合い、100歳のお祝いに詩を作り、

友人の音楽家、田島孝一氏が作曲、小中高の先輩バス歌手の武井正之氏が歌う・・・

という内々の企画が、何故か周りが巻込まれ?肥大化して、

お客様を入れて能楽堂で!となりまして、私も大層忙しい思いを致しましたが、

しかし、本当に素晴らしい催しとなりました。


当日のメニューは、師の基調講演から始めて、

武井氏の祝祭歌、今回、なんと氏には紋付袴で歌っていただきました。

ピアノ伴奏の赤松充子氏も袴姿で演奏、これは初めてではないかと思います。

若手による仕舞五番、マクベスの比較実演としてオペラと能の一部。

様々な表現をテーマに橋本師を囲んで、笠谷和比古氏、野住智恵子氏の鼎談。


兄作の新作能の一部を、特別国語授業として、会場全体で音読、

舞台で地唄舞の吉村章月氏が独音読、

即興で節を付けて私が謡。


お抹茶接待を含む、3時間越しの催しは無事に終了、

お疲れを全く見せない橋本師は、元気にお帰りになられました。


実はNHKの密着取材中で、大変であられたと思います。

4月9日17時10分からのNHK総合、「ゆうどきネットワーク」のコーナー、

「偉大なるお年寄り」に登場、この催しの場面も含まれる予定です。

関東・関西共に放送されるようです。


私のスマホで記念撮影をしてくれた担当ディレクターの言、

「密着取材を3日間させて頂いたが、あまりのお元気さに驚きました!」


師の最新著「100歳からの幸福論」、読まねば!


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