231 九州宝生会 普及能「藤戸」は14日の日曜日です!

七夕の七宝会普及公演は、普及公演開催以来初めての昼夜完売でございました。

暑い中お出掛けいただきまして、真に有難うございました。

「通小町」は蝋燭能で、また狂言「瓜盗人」も夜の部は実験的に蝋燭狂言で致しました。

瓜盗人は夜中に瓜を盗む場面であることと、

一人芝居が90%の形態模写的、演劇性の高い作品であるため、

萬斎より提案があり、私も効果的と考えたのでした。


普通なら違和感を感じるであろう実験でしたが、それなりに面白いものでもありました。

ただし、能の蝋燭使用の目的とは意味が違いますので、

お客様はどのようにお感じになったか・・・。


さて、お次はこの14日の日曜日に福岡の大濠公園能楽堂において

九州宝生会主催 普及能があり、第1回に「葵上 梓之出」を勤めさせていただいて以来、

2回目の主演で「藤戸」を勤めます。

藤戸は初演、しかも「重い(大事にされている)」曲ですので、

少々気も「重い」」のですが、有難く、シッカリ勤めさせていただきます。


前シテは子を殺された母が、その張本人に直訴する場面、

後シテは殺された男が苦しみ、やりきれぬ思いに戸惑いながらも、

弔いを受けて成仏していくという、つらく、複雑な執心の話。


能作者はいつも「成仏して有難い」と結ぶが、

彼らの本心は、権力者の影の犠牲者にスポットを当てることが目的でありましょう。


なんとか無事に勤めてたら、その次は「雷電」も控えており、

文月は正念場でございます。

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