268 新作能「覇王」 

岐阜県恵那市岩村町の「いわむら城址薪能」は

今年で第30回を迎えます。


女城主の町として有名な岩村。

城下町の風情豊かに、江戸期からのカステラ屋さん、造り酒屋さん、等等、

喧騒とはかけ離れたところで御座います。


女城主は信長の叔母。 岩村の城を得たものが天下取りに近付くとて、

信長は若くて美しい叔母を政略として城主の妻に娶らせ、

更に最愛の子、御坊丸を人質にして将来の城主にと望みました。


やがて城主は亡くなり、女城主として活躍するも、

宿敵武田の重臣、秋山信友が攻めて来ます。

雲霧城と呼ばれ、標高もある山城、

中々陥落しないために兵糧攻めになり、いよいよ危うくなったとき、

女城主の美貌に落ちた?か、和平の条件に秋山は妻となれと迫ります。


無血を望み、妻となった女城主、修理夫人と呼ばれますが、

はっきりした名も分からぬとか・・・。

御坊丸は武田方に人質となり、激怒した信長は岩村を大軍で攻めます。

難攻不落の城、信長の謀り事により、偽りの手紙を届けて、

味方するなら助けるから城を明け渡せ、と。


しかし秋山夫妻は磔に、城の者たちも皆殺し、修理は信長を呪うぞと言いつつ

果てたと言います。


この恐ろしい伝説を題材に、と地元のご希望があり、今回の新作能となりました。

「覇王」は信長、大義のために手段を選ばず、情けをかけずに力で征服する人間として

生き抜く信長。


岩村に入り、勝頼の死を知った信長は、人間五十年を舞い、毛利攻略へと向かったと言います。

この新作は、城主であった森蘭丸の病床を見舞うところから始まり、

修理の物怪により金縛りになる信長、修理との闘いなどを経て、終に非を認めると

やがて金縛りは消えますが、報いは免れず、その後に本能寺で討たれたのが

報いだと噂したといいます。


現地でこの惨劇の能は恐ろしいものですが、能の持つ鎮魂性を信じて勤めたいと存じます。


7日には現地で作者の飯塚恵理人椙山女子大教授と私のワークショップも御座います。 


本番は23日で御座います。 

現地は明知鉄道「いわむら」駅が最寄りですが、お車が便利と思います。

恵那インターも近いです故に。


名古屋から私設ツアーも組みました。大人気です!

11時名古屋駅バス⇒恵那付近で昼食⇒岩村城下散策⇒薪能鑑賞⇒名古屋駅

バス代、チケット代、昼食代含めて9,000円。

ご希望の方はお早めに こちら へ、

お名前・人数・ご連絡先をそえて、 お申し込みください。

岩村城址薪能ご案内


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