28日の「宝生会秋の別会第2日」では、昨年から憂鬱であったお役があり、
重い足を引きずって宝生能楽堂に参りました。
はい、「烏帽子折」の法師武者でございます。
少々オーバーでしたが、やはり能ではもっとも危険でオッカナイ、
「仏倒れ」がございますから・・・。
仏像が後ろ向きにバッタンと倒れるが如くに、斬られた後に倒れる所作です。
むちうちにもならず、なんとか無事に勤め、心がゆるりと いたしました。
25年前に初めて仏倒れてから5回目でしたが、さすがに私の年齢では
珍しいと思います。
「大仏が倒れたようで、迫力あった!」と、喜んでくださったようで
良かったですが、「満次郎の会」を控えて、冷や冷やでした。
さて、今年もそのお楽しみをお届いたしましょう!
昨年はこの記事で「行かずして観る」楽しみに留まっていらした方も、
今年は御高覧いただく、という方もいらっしゃいます。
今回お越しいただけない方も、是非是非、来年(10月1日土曜日です!)には
万難を排してお越しくださいませ。
まずロビー空間「その1」です。
今回も、まずロビーにお入りになったところには、
青山御流28世家元 園 楽山師による「いけはな」でお迎え致します。
今年の満次郎の会テーマは「月水」です。
演目だけではなく、全てにこれが関連づいています。
いけはなにつきましては、園師よりコメントをいただいております。
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砂鉢に「松 」を活け、中央に花留めである還施水(かんぜすい)を配し、
水の流れを表現した。
ロビー中央の空間は宝珠を表すオレンジ色の「宿り木」を中心に
「日蔭の蔓(ひかげのかづら)」と「霞草」の作品。
「日蔭の蔓」は古事記の時代から聖なる植物として用いられ、
朝廷の祭祀などで房前のような殿上人は身を清めたのちに
「日蔭の蔓」を冠に巻いて神事にのぞんだ。
「霞草」は水面に幾重にも映る淡い月の光 を表している。
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「宝珠」は「海人」の珠(玉)をイメージしていらっしゃる訳ですが、
その「宿り木」は、「神が宿る木」といわれます。
「日陰の鬘」は、特別身分の高い方が冠に着けたようですが、
能「杜若」で「沢辺之舞」の特殊演出などで用いる「日陰の糸」という、
冠に着ける飾りの組糸のルーツかと思います。
宮中祭祀に深くかかわる青山御流ならではの工夫ではないでしょうか。
私個人的にも、楽しみで仕方ありません!
今回は入り口のメイン作品に加えて、「能M-1」試写用の85インチ特大モニターの
脇にも、まさしく花を添えていただきます。
美術担当の道潅英樹氏の手腕にも期待しています。
次回は、ショーウインドウ展示について・・・