最終日を迎え、多忙を極めるメンバーの中には途中で帰国した人もありました。
残るは私どもシテ方4名と、太鼓の上田慎也さんとスタッフ。
イスラエルの西端、地中海に出て、海岸の大きなレストラン「マンタレー」でブランチ。
大使館の人たち、このプロジェクトで御世話になったプロデューサー、ガイド、スタッフ、
長谷川章氏ほかを、店主が招いてくれました。
我々はどちらに伺っても、ただし何か実演をしてお礼を・・・ということになっておりまして。
今回も。しかし砂浜、ビーチ!です。
脇の石の部分でと日本での打合せでしたが、レストラン客に見せる為には
やはり・・・。
私もいろいろ経験してまいりましたが、ついに摺り足のもっとも不適切なコンディション
「砂浜」で舞うことに覚悟を決めました。
地中海に捧げる舞は、とても気持ちの良いものでした。
マンタレーでマンジローが舞う・・・
そして、前日まで不可能と言われていた、私どもの念願、
聖地での中心地での奉納舞。
無茶だと言われても、なんとかできるのではないかと、諦めは致しません。
エルサレム市長夫人にも無理をお願いしてついに嘆きの壁付近で許可が!
バスの中で着替えて、観光客や巡礼者であふれる聖地内を
能装束で進みました。
嘆きの壁は城壁です。その一部、ロビンソンアーチと言われる
3000年前の城壁傍です。
大きな音をたてるな、など、能が何かわからぬ管理者は
不機嫌に指示してきます。
ところが舞い始めると、何か通じたか、まったく対応もかわり、
次回からは私に直接言って来たら、いつでもOKだ、とまで言ってくれました。
壁には3千年前のアーチの跡
こうして、最終日、空港に向かう直前に突如として実現した、真の祈り。
観客も不要、平和祈念が最大の目的ですから、こんな有難いことはありません。
我々以外には、だれも居ませんでした。
日本の八百万の精神が、日本の文化に表れていると考えています。
宗教や思想で直接的に説くのは困難、文化にその力はあると信じます。
ちっぽけな活動ですが、日本の心が、文化が、平和祈念を体現できると思います。
それを国内外に示したかったのです。
また、行くつもりです。
Tel Aviv のレストランで 不思議と誰も居ない静かな・・・
有難うございました。 お力添え賜った方々へ衷心より。