2015年10月アーカイブ
孝門の能を聴く会を終えて、
淀川の枚方河川敷へ急行。
枚方の人々が民間レベルで歴史ある枚方の川辺の文化を遺し創る!という意気込みで、
くらわんか船、鍵屋で有名な川辺にて、千人で月の宴を!
という、私としては、してやられたような?企画に及び頂きました。
日没には川に向かい氏神様を祀る尾上神社宮司による神事、
続いて御神火による火入の儀、
そして薪能は「融」を勤めました。
川風荒くとも、良く晴れた秋空に中秋の名月は照り輝き、
なんともいえぬ「風流」が生まれ、舞っている私も
ことのほか気持ちの良い能を勤めることが出来ました。
この素晴らしい記録写真をご覧ぜよ!
まるで合成写真の様な、奇跡的な能写真です。
我々の後はジャズの演奏。
文化的な大月見、大成功でした。
感謝
去る9月27日、香里能楽堂で開催された、
「辰巳孝門の能を聴く会」は、思い掛けず大勢のお客様にお越しいただき、
兄孝門はもとより、私どもも嬉しい限りで御座いました。
今回、難病を患い舞台を勤めることが叶わなくなった兄の、
生甲斐となっておる能の創作活動に、
応援してくださる方もあり、ほとんどご迷惑をお掛けしながらも
発表の場を設けることとなりました。
金春ご宗家が個人的にご支援下さり、特別出演もしていただきました。
これは、金春流と宝生流のコラボレーションでも共演でもなく、
あくまで個人的にご賛同いただき、兄の作品に個人的に節付していただいて
独吟(1人だけで全曲歌唱)していただく・・・という、
およそ例の無いことで御座いました。
そのほか、私共も一部に節付して「試謡」いたしました。
詞章はお客様に配布して、御批評を仰ぎました。
心より感謝申し上げます。
そして、中秋の名月を迎え、我々は引き続き、月と川と大地と神に捧げる能を舞いに・・・
興福寺、国宝の東の金堂前で例年行われる「塔影能」、
お天気も良く無事に勤めることが出来ました。
仏様に奉納する法事でありますので、
まず第一に無事に勤めることを最大の目的に致します。
翁を勤めるのと同じです。
最初に法要があり、陪観者(お客様)もご一緒に立礼三拝して開始、
奉納役者代表として、私も舞台正中に進み座礼して
能組へと進みました。
東金堂と五重塔
舞囃子「天 鼓」辰巳和磨 笛 藤田六郎兵衛 小鼓 成田達志 大鼓 高野 彰
狂 言「寝音曲」茂山 茂
能 「葛 城」神楽 辰巳満次郎 福王茂十郎
南都の能の聖地で、奉納させていただくことは名誉であり、
また、悠久に思いを馳せることで御座いました。
既に終了時には相当に冷え込む季節となっておりました。
静かに更け行く月夜で御座いました。