去る9月27日、香里能楽堂で開催された、
「辰巳孝門の能を聴く会」は、思い掛けず大勢のお客様にお越しいただき、
兄孝門はもとより、私どもも嬉しい限りで御座いました。
今回、難病を患い舞台を勤めることが叶わなくなった兄の、
生甲斐となっておる能の創作活動に、
応援してくださる方もあり、ほとんどご迷惑をお掛けしながらも
発表の場を設けることとなりました。
金春ご宗家が個人的にご支援下さり、特別出演もしていただきました。
これは、金春流と宝生流のコラボレーションでも共演でもなく、
あくまで個人的にご賛同いただき、兄の作品に個人的に節付していただいて
独吟(1人だけで全曲歌唱)していただく・・・という、
およそ例の無いことで御座いました。
そのほか、私共も一部に節付して「試謡」いたしました。
詞章はお客様に配布して、御批評を仰ぎました。
心より感謝申し上げます。
そして、中秋の名月を迎え、我々は引き続き、月と川と大地と神に捧げる能を舞いに・・・