お蔭様で楽劇「保元物語」の舞台は大成功、お客様にもご好評を賜りました。
全関係者の努力の賜物かと存じます。
全ての関係者が心身ともに相当な苦心をしました。
よくぞゲネ含み1日3回も皆が頑張ってくれたものです。
私も最後には足の裏がつる程になったのは初体験であります。
崇徳の不幸は色々あったようですが、やはり美福門院に憎まれたことが
大きな切っ掛けとなったと思います。
そして、その美福がモデルと言われれるのが殺生石の「玉藻の前」
天竺、中国、日本と殿上人を惑わし世を乱した・・・
そして27日には偶然、岩村城址で殺生石を勤めます。
不思議な御縁です。
玉藻の前は終には善心となります。
玄翁上人曰く、
余りの悪念はかえって善心となるべし、と。
保元物語では最後に崇徳が
「人間のこの世にあらん限り 罪業尽くることなし
罪業尽くることなくば 魔縁の怖れもまた 永劫なり」
と言い置き、白峰の陵に静かに消え失せます。
悪を起こすものは何か、何故悪を働くようになったのか、
それを大昔から追及するのが能であった筈です。
世の中にある事件は益々悲惨になります。
しかし、なぜそれが起こったか、何がその者をそうさせたかを
能のように追求しなければ、世は棲みにくくなるばかりかと思われます。