2016年7月アーカイブ

7月22日、家島天神祭の宵々宮として家島船上能を企画・公演しました。


姫路市の離島、「家島」での能は、昨年に引き続いて2度目でした。

昨年は神武東征に立ち寄られたと伝わる、家島神社境内での姫蛍能。


今回はなんと、獅子神楽舞い以外には使われたことのない

壇尻船を拝借しての、家島天神祭祝祭祈念 船上能として

およそ歴史上はじめての船上での公開奉納能となりました。


壇尻船の舞台部分は3間四方あり、屋根がついて本当に立派な船です。

家島の数ある伝説を新作「能物語」として古典と組み合わせました。

国生みの島として伝説のある家島。

「国生み 壱」「国生み 弐」として、

イザナキ・イザナミのオノコロ島へ降り立つところから国生みまで、

2部に分けて演じました。


遠く北海道からご高覧いただいたお客様もあり、

暑い中でしたが熱心に御覧いただきました。

島を上げてのご協力で、なんとか無事に終了しました。

家島神社では奉告祭もお願いし、船上能では遥拝の儀もしていただきました。


幸い天気も良く、昼夜公演は無事に終わり、お客様も出演者も

家島のとれとれ島御飯を満喫し、高速艇で姫路港へと。


まだ課題は御座いますが、やがて島の活性化につながればと願い、

また、森羅万象への奉納が出来た喜びに胸を躍らせました次第です。



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七夕に開催しました「七宝会七夕公演」、

七夕には珍しい梅雨の晴れ間になりまして、夜空には天の川も見えたようです。


試演、素舞「舎利」は、この曲には無い仕舞形式で釈迦の舎利を奪い逃げる足疾鬼と

取り戻そうと追いかける韋駄天との激しいバトル、やがて散々に打ちのめされて

韋駄天に舎利を渡すという、ダイナミックで面白い部分。

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茂山千三郎さんの狂言小舞「暁明星」は、一夜の逢瀬を惜しむ男を、

色っぽく、しかしコミカルにコンパクトに演じられました。


そして、嶋原司太夫の新作書き下ろし「比翼連理」、

始めは蝋燭灯りのみに登場する「かしの式」という嶋原太夫独特の顔見世儀式、

そして、重森三果さんの三絃と唄での太夫舞い(篠塚流)は

太夫自らの作詞、大変深い情感あふれる舞となりました。


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鼎談は、この3人で。それぞれの演目を詳しく深く解説し、七夕談義を。 

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そして能「楊貴妃」は、玉簾の特殊演出で、より一層深淵な玉妃の世界を感じさせる

能らしい演出でした。

シテと地謡は女流能楽師、東京、名古屋、福岡からの応援をお願いしました。

          tanabata tamasudare 1.jpg   Photo : Jean-Francois Heimburger



次回七宝会は、9月9日、重陽公演です。桂吉坊の解説落語、狂言小舞、

そして「土蜘」「紅葉狩」の能でございます!

ぜひとも宜しくお願い申し上げます。